食品工場で行われる洗浄の目的は、汚れの殆どを占める有機物の除去になります。菌が生存し増殖するために必要な養分である汚れを除去することによって、菌の生存環境をなくすことが重要なことになります。基本的には日常生活での洗浄と変わりがなく、毎日必ず行うという点においても同じです。機械を用いた洗浄機の導入は、均一で衛生的な洗浄を大量に短時間で可能にします。また、汚れに適した洗浄剤の量・濃度などを過不足ないよう細かくコントロールできるので、必要最低量の洗浄剤があれば良く、すすぎ水の量も少なくて済みます。
食品工場に限らず、生活環境やものづくりの過程において、洗浄というプロセスは必ず必要になります。現在、医療現場において傷口は消毒をするよりも、毎日石鹸でやさしく洗い、水で洗い流した方が治りが早いとされ、逆に消毒をすると化膿すると言われるようになったそうです。それは例えば毎日使っている食器を洗わずに消毒液だけを吹き付け、食べ物の残りかすや汚れを洗い流さなければ、残飯に残った雑菌が消毒液では死滅せずに繁殖し続けるのと同じことなのです。傷も洗わないと血の塊や垢に雑菌が繁殖し続け、消毒しても死滅せずに傷口を化膿させます。水で洗うことに抵抗がある方は多いと思いますが、蛇口から出てくる水は殺菌されていますので問題ありません。
このように洗浄における水の存在は、極めて重要な要素です。然し乍ら、環境問題が重要な課題となっている現在、大量の水を使って洗浄を行うということも時代に逆行した行為と言わざるを得ません。いかに少ない洗浄剤と水で洗浄できるかが洗浄の重要な課題になっているのです。
水は固体(氷)の状態では物を洗えません。また冷たい水でも汚れはよく落ちません。冷水→温水→熱湯→蒸気(スチーム)と、高温になるほど汚れがよく落ちるのは何故でしょう。それは熱運動により水の分子が活発に動くことによります。万能で無害な「水」という洗浄剤を微粒子化することで使用量を抑え、運動エネルギーを与えて汚れを落とすというガリューのパルスミスト技術は、とても理にかなった洗浄方法と言えるでしょう。
PSGサイクロン 二流体洗浄機
PSG-FG