2009年2月アーカイブ

食品工場で行われる洗浄の目的は、汚れの殆どを占める有機物の除去になります。菌が生存し増殖するために必要な養分である汚れを除去することによって、菌の生存環境をなくすことが重要なことになります。基本的には日常生活での洗浄と変わりがなく、毎日必ず行うという点においても同じです。機械を用いた洗浄機の導入は、均一で衛生的な洗浄を大量に短時間で可能にします。また、汚れに適した洗浄剤の量・濃度などを過不足ないよう細かくコントロールできるので、必要最低量の洗浄剤があれば良く、すすぎ水の量も少なくて済みます。

食品工場に限らず、生活環境やものづくりの過程において、洗浄というプロセスは必ず必要になります。現在、医療現場において傷口は消毒をするよりも、毎日石鹸でやさしく洗い、水で洗い流した方が治りが早いとされ、逆に消毒をすると化膿すると言われるようになったそうです。それは例えば毎日使っている食器を洗わずに消毒液だけを吹き付け、食べ物の残りかすや汚れを洗い流さなければ、残飯に残った雑菌が消毒液では死滅せずに繁殖し続けるのと同じことなのです。傷も洗わないと血の塊や垢に雑菌が繁殖し続け、消毒しても死滅せずに傷口を化膿させます。水で洗うことに抵抗がある方は多いと思いますが、蛇口から出てくる水は殺菌されていますので問題ありません。

このように洗浄における水の存在は、極めて重要な要素です。然し乍ら、環境問題が重要な課題となっている現在、大量の水を使って洗浄を行うということも時代に逆行した行為と言わざるを得ません。いかに少ない洗浄剤と水で洗浄できるかが洗浄の重要な課題になっているのです。

水は固体(氷)の状態では物を洗えません。また冷たい水でも汚れはよく落ちません。冷水→温水→熱湯→蒸気(スチーム)と、高温になるほど汚れがよく落ちるのは何故でしょう。それは熱運動により水の分子が活発に動くことによります。万能で無害な「水」という洗浄剤を微粒子化することで使用量を抑え、運動エネルギーを与えて汚れを落とすというガリューのパルスミスト技術は、とても理にかなった洗浄方法と言えるでしょう。


psgfg.jpgPSGサイクロン 二流体洗浄機
PSG-FG
パルスエアーを利用したアルカリイオン水の鹼化+乳化・分離作用

現代は企業のグローバル化に際し、ISO 14001に代表される環境マネジメントシステムの導入など、地球環境への配慮なくしては成り立たない時代となっています。ものづくりの現場においては、様々な工程で必要となる「洗浄作業」において 「今まで使用していた洗浄剤や溶剤が使用できなくなった」「廃液処理に莫大な費用がかかる」などといった問題が起きています。
そこで当社にてお勧めしておりますのが「パルスエアーを利用したアルカリイオン水洗浄」になります。

無害なアルカリイオン水で『油汚れ』が『石鹸』に!
究極のエコ・エネ!それがガリューのパルスミスト技術!

アルカリイオン水は油脂と反応(加水分解)させることにより、グリセリンと脂肪酸塩(石鹸)に分解します(鹼化)。また、アルカリイオン水は乳化・分散作用も持ち合わせているため、油脂分を細かく分散して洗浄物から汚れを剥がれやすくします。

一般的に石鹸を作るには水酸化カリウム(KOH)や水酸化ナトリウム(NaOH)といった苛性アルカリを使いますが、アルカリイオン水は同じ強アルカリ性でありながら対イオンを持っていないため、高い殺菌作用・剥離効果や、プラスチックやゴム類の劣化を防ぎ金属を腐食させない還元効果を持ちあわせながらも、人体にも優しく手肌も荒れません。(*注)

(*注 アルカリイオン水の安全性に関しましては、製造会社またはご購入店にお問合せください)

パルスミストになったアルカリイオン水が打力を持った微粒子で油脂(汚れ)を高速・強力にミキシングすることにより、運動エネルギーを持ったマイナスイオンが、アルカリと油脂の加水分解(鹼化)を早めるだけでなく、凹凸や溝・メッシュなどの立体的な構造でも、強力に油脂を乳化・分離しながら効果的な洗浄を行います。

では、実際にアルカリイオン水の洗浄実験を行った画像をご覧ください。▼

P1030623.jpg
油汚れ(油脂)の代わりにCRCを吹き付けます
P1030625.jpg
ブラッシング・クリーナー/BC-10でアルカリイオン水を噴霧します
P1030629.jpg
パルスミストの力によってアルカリイオン水と油脂が強力にミキシングされています
P1030630.jpg
油脂がアルカリイオン水と乳化することで加水分解して鹸化します
P1030632.jpg
鹸化した油脂が洗浄物から剥離され流れ落ちています

水と空気の力で、汚れを原料にして石鹸を作って汚れを落とす。
それがガリューのパルスミスト技術を利用したアルカリイオン水洗浄です。